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赤瓦とシーサー

 私たちは、過疎化に伴い主を失い放置され朽ち果てようとしている沖縄民家を再生し、 変わりゆく島の風景を守ると共に、その再生古民家を「島暮らし」体験の宿泊滞在施設として有効に活用し、それを取り巻くコミュニティの中でスモール・ビジネスを発生させ、その家に積み重なってきた営みの文化と共に住民との関係性の再構築をめざし、古民家再生プロジェクトを進めています。
 しかし、私たちの「古民家再生プロジェクト」は、観光アイテムとしての「再生古民家」という箱づくりの事業ではなく、美しい島をつくること、美しい島を守ること、美しい島であり続けること、その活動そのものが島の資源として有効に機能することを実証する運動であり、島の誇りの創出と考えています。

 今では所有者の名前で呼ぶことも多くなりましたが、島では昔から家を呼ぶとき屋号で呼んできました。私たちは家の再生と共にその家の屋号も大切に伝えていきたいと思います。現在再生した古民家の呼称も「がーぺーちん」「あんじょーや」「まーちぬしちゃ」「にちぬへーく」と昔から呼ばれ続けてきた屋号をそのまま使用しています。
 例えば「まーちぬしちゃ」とは「松の下」と書きます。いまはもうありませんが昔この家の脇に大きな松の木があり、それがこの家の屋号の謂れです。屋号にはその家の歴史が込められているのです。この家を利用した旅人が近所のお年寄りにその名前の由来をたずねることで、素敵な旅の物語に出会えるかもしれません。

【イヒャジューテー】
 島に代々伝わるホスピタリティあふれる島人の気質を表す言葉です。集落内を歩いていると縁側にお茶のセットが置かれているところがありす。朝一番に自分が飲むより先にいつ来るともしれない来客用にお茶を用意する風習が残っています。

イヒャジューティ

 いつの頃からだろうか「旅」が観光産業の消費活動としてのみ、旅の対象地が観光商品として消費財としてのみ語られるようになったのは・・・・・。
「旅とはなにか」人によって様々な答えがあるでしょう。それでもなお、ここでひとつの「人が日常生活を離れ、観光の現地で彼の地の文化に接すること」という一般的な定義を借りるならば、観光者がもつ文化と観光地に流れる文化が出合うとき、そこで生まれる共振のダイナミズムによって新しく生成される「物語」といえるのではないでしょうか。
 現在行われている観光が、観光能動者からの一方的にまなざされる視線とそれに応え続ける観光受動者としての地域という構図の中で、さらに消費され続け疲弊していく小規模地域を作りだしているのではないかという危惧を感じています。
 すべてが予定調和的に準備され、出会いさえ「体験」という名でプログラム化される観光商品の中でどれだけ共振の「物語」が生み出されるのでしょうか。
 しかしそれも旅の一つの形態ではあるでしょうし、それを否定するつもりはありません。しかし、旅はもっと多様で想像力豊かであっていいはずです。
 旅人が異文化の彼の地に立った時、「いつもと違う自分、本当の自分」を発見し表現できる旅。まさに「オーセンティシティ(本物性、本来性)」を求め人は旅をするのではないでしょうか。また、それを受け入れる此の地も観光者に媚びることのないありのままの文化を提示することで、それらが出合い共振することで新たな旅の「物語」が紡ぎだされるのではないでしょうか。
 かって「旅」とは「他火」という字を充てたこともあると聴きます。「他火」よその火、すなわちありのままの素の暮らしに触れることでもあったと思います。
 私たちは「旅行」あるいは「観光」という言葉をもう一度「旅」ということばで読み解き、旅人と地域がその地域に暮らす人々が出合うことで生まれる共振のダイナミズムを豊かに感じられる、そんな「旅」を提案したいと思います。これが「暮らすように過ごす島」のコンセプトです。
 私たちの「旅」の提案は、「新しい旅」ではなく「本来の旅」の提案かもしれません。

※ご宿泊

について

私たちは「古民家再生プロジェクト」めぐる様々な事業を行っています。

「がーぺーちん」

字伊是名
2007年再生
2007年運用開始

「あんじょーや」

字勢理客
2008年再生
2009年運用開始

「まーちぬしちゃ」

字仲田

2013年再生

2014年運用開始

「とくもりやー」

字伊是名 
2016年再生
2016年運用開始予定

「ちょーぎやー」

字伊是名
現在再生中

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